達示69号「京都大学立て看板規定」に対する抗議文

平成29年12月20日

山極寿一総長殿

川添信介副学長殿

京都大学文学部自治会学友会常任委員会

 

達示69号「京都大学立看板規程」に対する抗議文

 

平成29年11月14日付で副学長より「キャンパス周辺の立て看板等の設置について(通知)」という通知が出された。この中では、大学周辺の立看板が、京都市の条例に反し、道路を通行する上で危険になりかねないという指摘がされている。

さらに、12月19日付で達示69号「京都大学立看板規程」が出された。その内容は、①立看板の設置場所・期間の限定、②設置責任者の明記の義務、③公認団体と非公認団体の差別化など、学生にとって不利益となりうる制限を含む。

 

本件に関して、文学部学友会は次の見解を示す。

 

(1)立看板の意義

近年SNSなどの発達で情報発信のあり方は多様化しているが、立看板は道行く不特定多数に対して学内外の誰もが情報を発信できる重要な手段である。表現活動が文化の基盤をなすこと鑑みれば、立看板は最大限の尊重を受けるべきである。

 

(2)立看板の危険性について

立看板の倒壊の危険性については、以前から指摘がある点であり、改善を要する。しかし、通行を妨げず、倒壊しないように看板を固定することは技術的に解決可能であると考える。

 

(3)景観政策について

京都市は京都らしい景観のための景観政策をとっているとするが、京都らしい景観も多様である。一方で、立看板は数十年前から学生文化の向上に資してきたものであり、「京都らしさ」の重要な構成物の一つといえる。そのため、条例の趣旨を考慮すれば、立看板は規制されるものにはあたらない。

 

(4)行政指導への対応策について

上記のように、立看板は京大に関係する誰もが情報を発信する手段として用いてきたものである。したがって行政指導へ対応する際には、それらの人びとと広く議論を行うべきである。立看板に関わる人びと不在で、一方的に当局が対応策を決し、それを施行することは健全な解決を招かないと考える。

 

以上の見解を踏まえ、今回出された達示69号を本会は容認できず、当局の姿勢に抗議する。